ANAホールディングスは2026年1月30日、2026年度から2028年度までの中期経営戦略を策定したと発表しました。世界的な航空需要の拡大が続く中、2029年に予定されている成田空港の拡張を「最大のビジネスチャンス」と位置づけ、国際線を中心とした成長戦略により収益拡大を目指します。

過去最高の利益水準へ 経営数値目標として、営業利益は2028年度に過去最高となる2,500億円(営業利益率9%水準)、2030年度には3,100億円(同10%)の達成を掲げました。2025年度までの経営基盤回復フェーズから、2026年度以降は「変革の加速」と「飛躍的な成長」のステージへと移行します。

国際旅客と貨物を成長ドライバーに 事業戦略の柱となる国際旅客事業は、2030年度までに事業規模を1.3倍へ拡大します。2028年度までは高収益が見込める羽田路線の拡充を優先し、成田空港拡張後の2029年度以降は、成田発着の北米・アジア線を大幅に増強する計画です。あわせて、主力機ボーイング787-9型機の全クラスに新シートを導入し、商品力を強化します。
貨物事業では、日本貨物航空(NCA)との統合により、2028年時点で300億円のシナジー効果創出を見込みます。旅客便のネットワークと大型貨物機を組み合わせ、アジアを代表するコンビネーションキャリアとしての地位確立を目指します。







国内線は収益性重視、LCCは国際線強化 国内旅客事業は、新機材(エンブラエルE190-E2等)の導入による需給適合や、日本航空との空港業務の協業などを通じ、収益性の改善を図ります。LCCのPeachは、国際線の比率を高めて訪日需要を取り込むほか、2028年度に導入する中距離機材「A321XLR」により新たな路線を開拓します。

DXと航空機へ2.7兆円投資 これらを実現するため、今後5年間で過去最大規模となる2.7兆円の投資を実行します。全体の約50%を成長事業である国際旅客・貨物事業へ充てるほか、DX(デジタルトランスフォーメーション)分野に2,700億円を投じます。グループ全体の保有機数は、コロナ禍前の水準を超える約330機体制へ拡大する見通しです。

株主還元の拡充 株主還元については、安定配当と機動的な自己株式取得を組み合わせ、株主総利回り(TSR)を重視する方針を示しました。具体的には、中間配当制度の導入や、株主優待制度の刷新(シンプル運賃への割引適用や長期保有優遇など)を予定しています。
個人株主への感謝を示す新たな取り組みとして、大口長期保有者向けの特典を新設します。2万株以上を3年以上(7基準日連続)保有する個人株主を対象に、ANAマイレージクラブの最上級ステイタスである「ダイヤモンドサービス」の一部特典を体験できる制度を導入します


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