LCCを使いこなすには

LCC登場時のシーティングを考える

海外だけでなく国内でもすっかり定着したLCC(格安航空会社)。私も数年前まではマイルを貯めるため、特定の航空会社(主にANA)を狙って乗っていたが、最近ではマイルの積算率が悪く「乗っても貯まらない」状態。費用対効果を考えると、フライト時間の短い東アジアや国内はLCCを使うことが多くなっている。

LCCの特徴として、シートピッチの狭さがある。席と席の距離を詰めることで座席数を増やしているわけだ。また、座席の指定料が必要なのもLCCでは一般的。さらに最前方や非常口そばなどの足下が広い席は高めの指定料となっているほか、座席ブロックごとに細かく指定料が決まっている。

せっかく指定料を払うなら狭い座席スペースでも快適に過ごせる席を狙いたい。そこで回りを誰も指定していないガラガラの席を何度か指定してみた。隣席に人がいなければ、3席独り占めも可能だ。

ところが、いざ搭乗すると自分の隣席や列だけ座っているというケースが多い。以前搭乗した春秋航空では、予約時に前後数列に渡って誰も指定しない席を予約した。ところが機内に乗り込んでみると、確かに前後数列は誰も座っていないが自分が指定した列だけビッシリ座っていたこともある。

さらに座席の移動が可能かどうかCAに確認したができないとの返答。LCCでは座席に空きがあっても移動は禁止という航空会社が多い。座席指定料も細かく決まっているので当然といえば当然なのだが、それならば同じエリアなら動いても良さそうな気もする。

そこでシートベルトをしているときに気が付いたのだが、わざと人が指定した列に座席指定をしなかった客をシーティングしているのではということ。というのも、通路を挟んだ反対側の3人は搭乗直前にシート変更を伝えられていたグループだったからだ。

ここからは推測でしかないが、清掃のしやすさからこういったシーティングをしているのではないかと。いかにLCCとはいえ、到着後はシートの清掃をする。シートベルトなどもキレイにセットされている。

仮に1列誰も座っていなければ、そこは清掃に手をかける必要がない。3席に一人だけ座っている場合は3席ぶんフルに使う客も出てくるだろう(私ならそうする)。それなら1列にギュッと押し込んだほうが清掃の手間を減らせる。

数度のテストの結果、LCCで座席指定をしても美味しい席にはありつけないということがわかった。窓側か通路側を指定できる程度に考えておいたほうがいいだろう。

LCCの機内持ち込み荷物について考える

LCCを利用する際にネックとなるのが荷物。レガシー・キャリア(既存の航空会社)では、エコノミー-クラスでも23kgまで受託手荷物として無料で預けられるのが一般的。一方のLCCは受託手荷物が有料というケースが多い。

ただ受託手荷物に関しては、私が何度かLCCを使用した感想からいえば、「あまり気にしなくて良い」というのが印象だ。LCCの場合、ネットでチケットを購入する際に、受託手荷物の申請が可能。もちろん搭乗時に重さを量ってカウンターで支払うことも可能だが、ネットでの購入時に支払う方が割安となる。

ネットで申請する場合、フライトの距離などにもよるが20kgで1000円から3000円あたりが相場。搭乗者ごと、フライトごとに申請できるので、同乗者がいるなら荷物はまとめてひとつに、また帰りはお土産が増えるから多めに申請といった具合に調整も可能。超過料金が心配なら、トラベル用の量りなどを使って計測しておけば安心だ。

ちなみに国内のLCCでは、15kgから20kg程度の受託手荷物料が含まれている場合も多い。ただしバーゲン価格は託手荷物料は別ということもあるので、購入時にチェックしておこう。

LCCでは受託手荷物よりも、機内持ち込みのほうが問題となることも。規定された大きさや重さを超えると、機内への持ち込みができず問答無用で受託手荷物としてカウンターで手続きとなり、思わぬ超過料金を取られてしまう。さらにカウンターはスルーできても、搭乗口で止められその場で受託手荷物の手続きをしている人を何度か目撃している。

特にヨーロッパのLCCではこの対応が厳しい。私も小さなポシェットとリュック、ふたつのバッグをもって搭乗しようとしたときに、「持ち込みのカバンはひとつだ」と言われ、ポシェットをリュックに押し込んで乗り込んだ経験がある。

というわけで、LCCに乗るときに機内へ持ち込むリュックは、いざというときに別の手荷物を押し込める程度のスペースをあけてパッキングするようにしている。

オススメの旅行用リュック

個人的に気に入って使っているのは、CabinZeroのバックパックだ。特にCLASSICシリーズは軽量なため、必然的に詰め込める荷物も多くなる。また旅行用に考慮されているため、ジッパーが頑丈かつ、南京錠でロックできるつくりになっている。

ただし非常にシンプルな作りで、サイドにペットボトルをいれるポケットや、肩のベルトになにかを取り付けられるようなシステムもない。またスーツケースのハンドルに取り付けることもできない。

なのでオススメはCLASSIC PLUSシリーズか、CLASSIC PROシリーズ。上記の欠点を補ったモデルだ。機能が増えているため若干重くなっているが、それでもほかのバックパックに比べると軽量。

バックパックだけで旅行をしたいと考えている人は、カバン選びの候補のひとつに入れておいて欲しい。

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海外取材の合間に世界を旅しながら記事執筆を続けるノマド系テクニカルライター。雑誌・週刊アスキーの編集記者を経て独立。IT、特に通信業界やスマートフォンなどのモバイル系のテクノロジーを中心に取材・執筆活動を続けています。

旅人ITライターさとるとして、YouTubeでも活動しています。

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