ANAグループ、2026年度航空輸送事業計画を発表——国際線・貨物事業を強化、NCAとの連携本格化
ANAホールディングスは2026年1月20日、2026年度の航空輸送事業計画を策定しました。旅客事業においてはANAとPeachによる「デュアルブランド戦略」を継続してネットワークを構築し、貨物事業では新たにグループ入りした日本貨物航空(NCA)とのシナジー効果を追求します。

本年度の計画では、旺盛な需要が見込まれる国際線および貨物事業へ資源を集中させる一方で、国内線においては需要動向に応じた路線のメリハリを図る方針です。
国際線事業:ANAは新シート導入と増便、Peachは112%へ拡大
ANA:羽田=ミラノ線の毎日運航と新機材投入 ANAブランドの国際線は、旺盛な需要に対応するため、運航便数を前年比105%に拡大します。路線展開においては柔軟な需給適合を進める方針です。上期には成田=バンクーバー線を期間運航するほか、下期からは羽田=ミラノ線を増便し、毎日運航体制とします。

機材面での注目点は、2026年8月から投入されるボーイング787-9型機です。同機には新しいビジネスクラスシート「THE Room FX」に加え、新仕様のプレミアムエコノミーおよびエコノミークラスシートが全クラスに導入されます。これにより、サービス品質と利便性のさらなる向上が図られます。具体的な投入路線については、決定次第公表される予定です。

地域別の主な増便・変更計画は以下の通りです。
- アジア・オセアニア: 羽田=北京線、羽田=上海(浦東)線、成田=香港線などで週7往復の運航を維持・強化します。成田=ムンバイ線は7月18日から8月31日まで週3往復に減便される期間があるものの、基本は週7往復へ増便されます。
- 北米・欧州: 羽田=サンフランシスコ線、羽田=ニューヨーク線などで週7往復体制を堅持します。欧州方面では羽田=ウィーン線、羽田=ミラノ線、羽田=ストックホルム線、羽田=イスタンブール線がそれぞれ週3往復で運航されますが、ミラノ線は下期中に週7往復(毎日運航)への増便が予定されています。
Peach:国際線運航規模を大幅拡大 Peachブランドは、国際線の運航便数を前年比112%に拡大する計画です。関西=仁川線・台北線、成田=台北線など、需要の動向に応じて期間増減便を実施し、効率的な運航を行います。具体的には、羽田=上海線、関西=上海線を週7往復とするほか、台北路線では中部=台北線、関西=台北線、沖縄=台北線で週7往復体制を敷きます。
国内線事業:ANAは収益性重視の再編、Peachは増便基調
ANA:運航便数は前年比98%、新機材B737-8導入 ANAブランドの国内線は、運航便数を前年比98%に設定し、全体としては抑制傾向にあります。これは、コロナ禍を経て変化した需要構造やコスト増に対応し、収益性を確保するためです。 旺盛な需要が見込める羽田=札幌線(夏期中心に増便)、羽田=沖縄線などでは増便を行う一方、羽田=福岡線(20往復から19往復へ)、伊丹=札幌線(6往復から5往復へ)など一部路線では減便や運休を実施し、競争環境に応じた最適化を図ります。
機材面では、2026年6月に新機種となるボーイング737-8型機を導入し、定時性の向上とイレギュラー時の対応力強化を目指します。

Peach:主要幹線・リゾート路線を強化 一方のPeachは、国内線においても増便基調を維持します。関西=札幌線(最大10往復)、関西=沖縄線(最大7往復)、成田=札幌線(最大9往復)などで増便を行い、中部=沖縄線も1日2往復へ倍増させます。
貨物事業:NCAとの統合効果で欧米路線を強化
2026年度は、日本貨物航空(NCA)がグループに加わって初めての事業計画となります。ANAグループは本邦最大のコンビネーションキャリア(旅客便貨物スペースと貨物専用機を併用する航空会社)として、ネットワークの拡充を図ります。

役割分担と機材戦略 貨物専用機(フレイター)の運用において、ANAとNCAの役割が明確化されました。
- ANA貨物便: 中型貨物機(ボーイング767型フレイター)を活用し、主にアジア路線を強化します。3月29日より成田=バンコク線を増便します。
- NCA貨物便: 大型貨物機(ボーイング777型・747型フレイター)を中心に投入し、欧米ネットワークを強化します。
北米路線の輸送力増強 アジア=欧米間の旺盛な貨物流動を取り込むため、NCA貨物便(提携社運航便含む)において成田発着のシカゴ、ダラス、ロサンゼルス線を対象に計週5往復を増便します。 具体的な北米路線の便数計画(週間)は以下の通り強化されます。
- 成田=シカゴ:ANA便(B777F)週7往復に加え、NCA便(B748F/B744F)を増強します。
- 成田=ダラス:NCA便(B748F)を週1往復から2往復へ、B744F運航便も含め増便します。
- 成田=ロサンゼルス:ANA便に加え、NCA便(B748F)週7往復を維持しつつ、B744Fによる補完を行います。
ANAグループは、旅客便の貨物スペースも最大限に活用しつつ、多様化する物流ニーズに対応していく方針です。


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