JR東日本とJR北海道、「えきねっと」限定の運賃割引やサービス改定を発表〜平日50%割引を実施する一方、直前割引などの一部商品は廃止へ〜
東日本旅客鉄道株式会社(JR東日本)と北海道旅客鉄道株式会社(JR北海道)は2026年8月7日、オンライン予約サイト「えきねっと」限定の新たな運賃割引キャンペーンおよび、既存サービスの内容改定を発表した。期間限定で新幹線や特急列車が半額となる大型キャンペーンを実施する一方で、従来提供されてきた直前予約向けの割引商品が販売終了となる。利用者にとっては、予約のタイミングや利用形態によって明確に「改善(メリット)」と「改悪(デメリット)」が分かれる内容となっている。
早期予約による大幅割引の実施
最大の目玉となるのは、新幹線および特急列車が50%割引となる期間限定商品「トクだ値スペシャル28」および「トク割スペシャル28」の発売である。対象となるのは、東北・北海道、上越、北陸、秋田、山形の各新幹線やJR東日本エリアの特急列車である。
利用期間は2026年10月14日〜27日および、12月7日〜17日の「平日乗車分」に限定されている。発売期間は乗車日の1ヶ月前から28日前までとなっており、列車・区間・席数は限定される。この施策は、約1ヶ月前から旅行や出張の計画を立てられる層にとって非常に大きな改善となる。例えば、東京〜新函館北斗間のはやぶさ普通車指定席が通常24,000円のところ11,990円になるなど、遠方への平日移動が大幅に安価となる。
JRE POINT還元とチケットレスエリアの拡充
日常的に同社のサービスを利用しポイントを貯めている層に向けた改善策も導入される。JRE POINTを新幹線eチケットに交換する「新幹線eチケット(JRE POINT特典)」が、JR東日本新幹線全線を対象に期間限定で通常交換レートから35%割引の特別レートで利用可能となる。設定期間は2026年9月25日〜10月9日および、2027年1月18日〜31日乗車分である。
また、2026年11月1日より在来線チケットレス特急券サービスの利用可能エリアが拡大され、新潟・秋田方面の特急「いなほ」「しらゆき」でも同サービスが利用可能となる。これにより、駅の窓口や券売機で特急券を受け取る手間が省け、該当エリアのビジネス客や地元住民の利便性が大きく向上する。
直前割引や定額割引の相次ぐ終了・縮小
一方で、多くの既存利用者にとって実質的な値上げとなるのが、一部のWEB限定割引商品の販売終了と割引率の縮小である。出張の予定が直前に決まりやすいビジネスパーソンや、日常的な通勤客にとっては厳しい改悪となる。
これまで、乗車日の14日前や前日までの手配で割引が適用されていた「新幹線eチケット(トクだ値14)」について東日本エリアを運行する全新幹線を対象に9月16日をもって終了し、「新幹線eチケット(トクだ値1)」も9月29日をもって発売を終了する。特急「いなほ」「しらゆき」などに設定されていた「特急トクだ値1」等も順次終了となる。予定が不確実で早割を利用できない利用者層は、今後正規料金での乗車を余儀なくされるケースが増加すると予想される。
さらに、特急「あずさ」「かいじ」「ひたち」「成田エクスプレス」等の主要特急で適用されていた、在来線チケットレス特急券の「大人100円引き・小児50円引き」の割引も、9月30日の購入分をもって終了する。塵も積もれば山となる性質上、高頻度で特急を通勤利用する層にとっては年間を通して小さくない負担増となる。また、特急「つがる・スーパーつがる」の在来線チケットレス特急券(トク割)の割引率も、10月1日乗車分より従来の35%から25%へと引き下げられる。
利用者への影響と今後の動向
今回の改定は、乗車28日前までの「超・早期予約」や「自社ポイント(JRE POINT)の積極利用」を行う計画的な利用者には手厚い還元策(改善)を提供する一方で、「数日前から前日」に予約をするビジネス客や、直前予約で特急を利用していた通勤客にとっては、恩恵が薄れ実質的な値上げ(改悪)となる構造だ。
JR側としては、早期に予約需要を確定させることで列車運用の効率化や収益の安定化を図るとともに、自社経済圏であるJRE POINTへのユーザー誘導を一層強化する狙いがあるとみられる。今後は、これまで以上に早めの計画的な手配が、お得に鉄道を利用するための鍵となる。

