航空業界が今年も競合の枠を超え連携強化、人身取引防止へ合同取り組みを発表

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2026年7月27日、全日本空輸(ANA)、日本航空(JAL)、日本空港ビルデングの3社は、羽田空港で合同記者会見を開き、航空機を利用した人身取引(ヒューマントラフィッキング)の防止に向けた取り組みを共同で実施すると発表。7月30日の国連が定める「人身取引反対世界デー」に合わせたもので、航空業界が競合の枠を超え、官民連携で人権課題に対応する姿勢を示した。

人身取引は世界規模で深刻化している犯罪であり、被害者の移動手段として航空機が意図せず悪用されるケースが後を絶たない。この問題に対処するため、航空・空港各社は社会全体の防犯意識の向上と、現場スタッフの対応力強化に乗り出す。

主な取り組みとして、成田国際空港、羽田空港、中部国際空港の主要3空港において、啓発デジタルサイネージキャンペーンを7月下旬から8月末まで展開する。昨年度に成田空港で開始した取り組みを拡大したもので、国際移住機関(国連IOM)が提供する動画素材を使用する。「人身取引は、見えない場所だけで起きているわけではない」「あなたのすぐそばで起きています」といったメッセージを放映し、一般利用者の認知向上を図る。

また、7月28日にはANAとJALによる初の合同研修が開催される。両社の客室乗務員(CA)や空港旅客スタッフが一堂に会し、日本空港ビルデングや成田国際空港などの担当者も参加。研修では、国連IOMからグローバルな現状や航空業界に求められる役割について講義を受けるほか、会社や職種の枠を超えた混成チームでディスカッションを実施。日々の業務で直面する「違和感」や実際の事例を想定した対応策について意見を交わし、現場での実効性を高める。

会見でANAホールディングスの保谷智子執行役員は「人身取引は身近な人権侵害であり犯罪。これを知っていただくことが大きな抑止力に繋がる」と述べた。JALの江尻祐子人財本部副本部長は「課題の解決には業界全体での連携が不可欠」とした上で、「競合という垣根を超えて連携して取り組みを進めることが、抑止力を高めるうえで効果的」と強調した。

日本空港ビルデングの高橋歩上席常務執行役員も「一社だけで防止できるものではない」と語り、それぞれの立場から得られる気づきや情報を共有して連携する意義を説明した。

航空業界は一般利用者に対しても協力を求めている。質疑応答では、「普段と違う言動」や「同行者と家族に見えない」など、空港や機内で違和感を覚えた場合は、専門の教育を受けている空港スタッフに声をかけてほしいと呼びかけた。航空各社は今後も連携を継続し、誰もが安心して移動できる社会の実現を目指す。

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