2026年4月20日、奈良市にある国指定重要文化財「旧奈良監獄」を活用した「奈良監獄ミュージアム by 星野リゾート」の先行内覧会が報道陣向けに開催された。同施設は4月27日に開館する。
旧奈良監獄は1908年に完成した明治五大監獄の一つであり、唯一その全貌が現存する赤レンガ建築である。星野リゾートは法務省等との契約に基づき、耐震改修工事を経て同施設を運営する。ミュージアムのコンセプトには「美しき監獄からの問いかけ」が掲げられ、デザインやアートを通じて来館者に「自由」や「当たり前の日常」について問いかける内容となっている。



内覧会では、八十田香枝館長による施設概要の説明や、アートディレクターの佐藤卓氏を交えたトークセッションが行われた。佐藤氏は、重要文化財という制限の中で展示を行う難しさや、建物の持つ存在感に対峙する展示の工夫について語った。その後、除幕式が行われ、報道陣向けの館内見学ツアーが実施された。



展示エリアはA棟からC棟の3つに分かれている。A棟「歴史と建築」では、日本の行政制度の歩みや旧奈良監獄の成り立ちを紹介し、明治五大監獄の模型などを展示している。B棟「規律と暮らし」では、起床から就寝まで細かく定められた受刑者の生活をデザインを用いて紹介し、現代の生き方と照らし合わせて「自由」について考える空間となっている。旧医務所を改装したC棟「監獄とアート」では、5組のアーティストによる作品と受刑者による刑務所アートが展示されている。





また、保存エリアとして、放射状に舎房が伸びる「ハヴィランド・システム」構造の中心となる中央看守所や、第3寮にある全96室の独居房、旧浴室などが公開された。併設されるカフェでは、当時の刑務所で人気だったメニューに着想を得た「レンガカレーパン」などが提供される。
八十田館長は、初年度の来館者数を30万人と見込み、約10年後をめどに国内外から100万人の集客を目指す方針を明らかにした。なお、同敷地内には2026年6月25日、旧監獄の舎房を客室に改装したホテル「星のや奈良監獄」の開業が予定されている。




